幼き者は真実を見抜くおすすめ度
★★★★★
何回見ても泣いてしまうのは、冒頭の親子一緒のシーンでの、
親の態度のじゃけんさと残酷さに千尋が哀れでならないからです。
いくら待ってよとか行かないでよとか言っても徹底的に無視され
て、ただただ叱られてせかされて、なんてひどいんだろうと思い
ました。
道が怖くてお母さんにしがみついても、じゃまだからどけ、みた
いなこと言われるし。親といても少しも安心でもなければ安全で
もないのです。むしろ親のほうが子供の制止を無視して自ら愚か
なことをしでかし、奇怪な化け物に変身してしまう。千尋は人の
世から遺棄されて、過去に体験していた「自然」の恵みからのみ
成長と救いとを得るのです。無事に人間界に戻ったとしてもこれ
だけの内面世界の激動を味わった後で、うまく人の世界で生きて
いけるのでしょうか。心配でなりません。
千尋のその後を想像するだに、怖くてならないのです。
彼女の自己実現はどのように達成されるのでしょうか?
概要
わがままで無気力、どこにでもいるような現代っ子の千尋は、引越しの途中で、不思議な町に迷い込む。謎の少年ハクに手引きされ、八百万の神様たちが入浴しに来る「油屋(ゆや)」で「千」と呼ばれながら働くことになった千尋。さまざまな体験や冒険を通して、少女は「生きる力」を取り戻していく…。 宮崎駿監督が、友人の10歳の少女に見せたいという思いから作り上げたこの『千と千尋の神隠し』。2001年夏に公開されるや、批評家筋からの高い評価と多くの観客からの支持を得て、それまでの国内映画興行記録を全て塗り替える大ヒットとなった。さらに、2002年のベルリン国際映画祭でも、グランプリにあたる「金熊賞」をアニメ作品としてはじめて受賞。全世界で、大きなセンセーションを巻き起こした。
『となりのトトロ』を彷彿とさせる「日本人の原風景」を美しく表現しながら、『もののけ姫』に負けずとも劣らない深いテーマ性を、『魔女の宅急便』のようなわかりやすくケレン味あふれる物語で展開したこの作品は、「硬」と「軟」という宮崎監督の2面性がほどよくミックスされ、宮崎駿作品の集大成と言える出来栄え。さらに、監督本人が「今回は若い人たちに大いに助けてもらった」と語っているように、従来の宮崎作品にはなかった「最近のアニメ」的要素が、脇役キャラの動かし方などの部分に感じられるのも意外な魅力となっている。
単なる一過性のヒットものではなく、長年にわたって称えられ続けるであろう傑作だ。(安川正吾)
内容紹介
ベルリン国際映画祭「金熊賞」をはじめ数々の映画賞に輝いた、宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』が豪華特典付きDVDコレクターズエディションで登場。通常版も同時発売。
【商品内容】
1.DVD
2.油屋ジオラマ(シリアルナンバー入り)
3.劇場版B2ポスター3枚セット
4.ベルリン国際映画祭プレス用ブックレット
5.ハクのおにぎりフィギュア
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
『もののけ姫』から4年の歳月をかけ2001年夏に公開され、大ヒットを記録した宮崎駿監督による冒険ファンタジー。シリアルナンバー入りの「油屋ジオラマ」や、劇場版B2ポスターなど、5アイテムが豪華BOXに入った10000セット限定発売。
内容(「Oricon」データベースより)
日本映画史における興行記録をつぎつぎと塗り替え、ベルリン国際映画祭では金熊賞(グランプリ)に輝いた、宮崎駿監督が贈る名作アニメ「千と千尋の神隠し」が遂に登場! 10,000セット限定のコレクターズエディション。