アドリア海の上、青い空を翔るヒコーキ野郎どもの姿がかっこよかったあ。主役のポルコ・ロッソが操縦桿を握る赤の飛行艇を筆頭に、アメリカのヒコーキ野郎カーチスや空賊たちが飛ばす複葉機がまた、いかしてたなあ。戦闘機がまだ一対一の戦いを繰り広げていた時代のロマン、ヒコーキ野郎たちの心意気が爽やか。ポルコがアクロバット飛行で空から挨拶するシーンなんかね、見ててわくわくしましたよ。
複葉機が空を飛ぶ雄姿を見ていたら、サン=テグジュペリの『夜間飛行』や『人間の土地』の新潮文庫、表紙に描かれた宮崎駿さんの飛行機の絵(こちらも複葉機ですね)を思い出しました。
宮崎監督の『天空の城ラピュタ』でも感じた「空を飛びたい人間の夢とロマン」が、この映画では存分に、生き生きと描かれていたところ。見ていて心が弾みました。
「顔・スタイルが良い≠カッコいい」を教えた作品おすすめ度
★★★★★
『魔女の宅急便』も好きですし、『ハウルの動く城』も好きだけど、私の中でのナンバー1ジブリはこれです。
他のジブリ作品と比べると聊か異端であることは事実です。ファンタジー色もなく、子供も出てきません。
しかもファシズムに覆われたイタリアという舞台背景。トトロや千と千尋が好きな人には敬遠されやすい作品と言えましょう。
ただ『渋さと格好よさ』という観点においてはこれを上回る作品が見当たらないことも事実なのです。
まず主人公が豚。この時点でカッコいいとはほぼ対極にあると思われるのに、この豚が実にカッコいい。
周囲には認められないながらも自らの信念において行動する、その硬派な所に惚れてしまいます。
作品内に出てくる女性たちがポルコに秋波を送るの、よくわかるなぁ。
「なぜ豚なのか?」に答えよう!!
おすすめ度 ★★★★★
人々の間でよく聞かれる問いに「何故ブタなの?」というのがある。
それは私が思うに「豚でなければならないワケ」があるからで、もしこれが馬だったら?ワシだったら?ライオンだったら?トラだったら?
何故ブタでなければならないのか・・・それは「ブタ」といえば「カッコいいのとは正反対の象徴」です。つまり立ち居振舞いがカッコ良ければ見た目に関係なくカッコ良く見えるということを教えたかったのだと思う。でなければわざわざブタを主人公にする必要は無い。馬やワシ、トラやライオンではダメなのである。番組宣伝にもあるように「本当にカッコいいとはこういう事さ・・・」って。見た目パッとしない人がカッコイイことをする事に意味がある。見た目のカッコよさなど「オマケ」のようなものである。それこそ見た目カッコいい人がイザという時に無様で、ブッ細工なことしたら・・・それこそ「あー幻滅・・・」になるでしょう。その日からその人の全てがイヤになる。見た目もパァァーである。そこにこの作品の意味があると思う。それにしてもこの作品での戦闘シーンは見物です。迫力あります。そして声(ポルコの)、カッコよすぎる・・・
概要
1920年代のイタリア、アドリア海には空賊相手の賞金稼ぎをしている豚がいた。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」とのたまう彼の名はポルコ・ロッソ。紅の翼の飛行艇を乗りこなすこの豚の活躍を小気味よく描いた航空活劇である。
『となりのトトロ』などを手がけた宮崎駿監督作品だが、一連の宮崎作品に比べるとカジュアルで軽快な出来に仕上がっているのが特徴。中年男(いや、豚)が主人公というのもめずらしい。歌手の加藤登紀子が主題歌のみならず声優として参加したことでも話題になった。
荒々しくもいとおしい飛行艇乗りたちの姿や、クライマックスの空上の対決シーンなど世代を越えて楽しめることは間違いないが、豚なのに、いや豚だからこそ自由に生きるポルコを見れば、「飛ぶこと」を忘れてしまった大人ほど感じるところは多いかもしれない。(安川正吾)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
宮崎駿監督による第一次大戦後の世界恐慌の嵐が吹き荒れるイタリアを舞台に、再び国家の英雄になることを拒み、自ら魔法をかけてブタになってしまった一人の男のカッコよさを描いた作品。加藤登紀子や桂三枝など個性的なキャスティングも話題を呼んだ。
内容(「Oricon」データベースより)
1920年代のアドリア海を舞台に、大空をこよなく愛する豚の姿をした一人の賞金稼ぎの活躍を描いた宮崎駿原作、脚本、監督で贈る一大航空活劇。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
宮崎駿作品のなかで唯一大人の、それも中年男性のというか監督自身のために作ったのが『紅の豚』。戦死した親友のために愛する女性から身を引き、自分に魔法をかけて豚になった飛行機乗りの物語。ハードボイルドで渋くて強くて女や子供には優しい。男だったらこうありたいと思う、ひとつの理想の姿がここにある。おまけに今回のDVDには話題となったジャン・レノがポルコを吹き替えたフランス語版も収録されていて、森山周一郎もいいがこのジャン・レノの声がまた渋くていい。でも英語版ポルコはイマイチ。『華麗なるヒコーキ野郎』など飛行機乗りの映画って、どうして男の子を熱くさせるのだろうか? お父さんが子供のために買ってきて、つい自分のほうが泣いてしまう一本。 (竹之内円)