宮崎駿の才能を垣間見ることができます。おすすめ度
★★★★★
みなさんが絶賛するTVシリーズですが、中でもこの第6巻は若き日の宮崎駿氏の才能を垣間見ることが出来るのでお薦めします。
ハイジがフランクフルトにやって来てからのエピソードですが、山からやって来た時の洋服を燃やされてしまいます。そして着替えさせられた洋服は色みの全くない無機質なものでした。
衣装一つとってみてもハイジの自由奔放な個性を押しつぶそうとする力が感じ取れるような作りになっていて、子供番組だからといって決して手を抜かない氏のこだわりがあります。
物語の根底に社会的メッセージを盛り込むという宮崎氏の片鱗が伺えますね。
概要
5歳の少女ハイジは、アルプスの山に住む祖父、アルムおんじに預けられる。偏屈な頑固者で知られていたおんじだが、ハイジには心を許し、ハイジは大自然の中でのびのびと生活する。しかし8歳になる頃、おばのデーテによって無理やりフランクフルトのゼーゼマン屋敷にやられることに。そこで足の悪い少女クララと友達になるハイジだが、アルプスの山へ戻りたい気持ちは抑えられず…。
ヨハンナ・スピリの原作をアニメ化した、1974年の放送作品。高畑勲が演出を務め、宮崎駿も画面設定としてクレジットされている。ハイジが長いブランコをこぐオープニングや、わらのベッドにふんわりとシーツを敷くシーン、やぎの乳やとろけたチーズがおいしそうだったことなどが、強く印象に残っている人も多いだろう。現在ではほとんど伝説と化している傑作である。
いわゆる「名作アニメ」の代表格である本作だが、「日本アニメーション」ブランドの「世界名作劇場」は翌年の「フランダースの犬」から。とは言え、無邪気な主人公、それに影響を受けて変わっていく周囲の人々、かわいらしい動物や豊かな自然、やがて来るつらい生活、結ばれる友情、努力の成就…と、後の「名作」シリーズの基本的要素がすべて入っており、いわば「名作」シリーズのスタンダード的な作品。綿密な取材に裏打ちされた脚本や作画、演出もまことに見事で、TVアニメ黎明期ならではの職人芸、ここに極まれりといった印象だ。最初にして最高の「名作」シリーズと言ってもいいかもしれない。(安川正吾)
内容(「Oricon」データベースより)
アルムの大自然で明るく暮らす少女の友情と成長を描いた感動の名作アニメ。声の出演には杉山佳寿子、吉田理保子ほか。第21~24話収録。