虐げられた者の復讐と危険なエロスおすすめ度
★★★★★
ダークなヒーローものである。はっきり言って「アラバスター」と名乗るこの男は極悪人と言って良いが、読者の共感は得るかもしれない。彼もまた、屈辱と共に、深い心の傷を負い、彼の憎しみの理由も分からぬでもないからだ。
まず、当時(1970年)では現在よりはるかに人種差別が露骨であったろうと思う。アラバスターも黒人であるが、ある理由で、並の黒人よりはるかに大きな苦しみを体験する。
そして、黒人差別だけを問題にしないのが、医学者でもある手塚治虫の構成の幅広さである。
アラバスターは超人的に強い男であるが、亜美という美少女の不幸の原因を作ってしまう。彼女は幼い時からのどうにもならない運命に弄ばれるのだが、手塚治虫は、可愛い女の子にも容赦のない苦しみを与えることもある。あまりに衝撃的なシーンが頭から離れなくなったと女性作家が解説しているが、現在の露骨な性描写と違い、読者に妄想させるこちらの方が後を引くかもしれない。
手塚治虫には、アルビノ(先天性白皮症)が頭にあったかもしれないと思う。虐げられる者の苦しみや悲しみとその怨念を手塚治虫が残酷に描く。
ひょっとしてサム・ライミの「ダークマン」の元ネタ!?おすすめ度
★★★★★
透明になる光線銃を手に入れたはいいが、その光線を浴びて不気味な半透明人間になった元オリンピック選手が、この世の美を破壊し尽くすべく、怪人「アラバスター」となった。光線銃を作った博士の娘である完全透明の体を持って生まれた純真な娘「亜美」にアラバスターの魔手が迫る…。
暗くシリアスなストーリーですが、手塚タッチの絵で描かれているので、ダークに偏りすぎない作品になっていると思います。
江戸川乱歩的世界を目指し始めた頃の「神」手塚氏の作品。最近の戦いだけ漫画に飽き飽きにている漫画好きな大人に是非、オススメです。
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