手塚は失敗作でもすごい。おすすめ度
★★★★★
これって「いじめ」と「いじめられ」の問題そっくりだ。「いじめ」は「いじめ」問題ではなく、「いじめられ」問題でもあるということを誰も指摘しないのが不思議だが、この「ブルンガ1世」にはその関係性が分かり易く解かれているのである。
オトナという悪魔が実は「いじめ」の真犯人だ、ということもちゃんと描かれている(ほとんどのオトナはブルンガの心をメチャクチャにしてしまうのだ)。ブルンガとブルンゴには子供が出来る(これがブルンガ2世)のだが、その卵を孵すために悪魔がジロ少年に命じるのは「卵を思い切り殴れ。ムチャクチャに壊せ」。言うとおりにすると卵から産まれたのは「人間に形をした怪物」。悪魔曰く「殴られ、壊された憎悪が形になると、こういうものが産まれる・・・」である。さらにそこから子供が産まれ、とうとう「失敗した粘土細工じゃねーか」(そう言う台詞がある)という怪物が5000も産まれ、百鬼夜行となっていくのだ。
「ブルンガ1世」は数多の手塚漫画にあっては傑作とは言えないかもしれない。しかし、実に40年を経て、この漫画は失敗作ではないということになった。何しろ、「いじめといじめられ」の漫画になってしまったからだ。
ラスト・シーン。育ててくれたジロを守るため、ブルンガは自分の子供もその母であるブルンゴも殺し、力尽きて死ぬ。その身体を抱きしめるジロ少年に「僕は怪物で妖怪だから、僕のことは忘れてほしい」と最後の頼みをする。ジロ少年は「怪物でも妖怪でもない。君は僕の友達だ」と涙する。その涙をブルンガは優しく舐めてやるのだ。
「トモダチッテ イッタノ ? アリガトウ・・・」
これがブルンガの、最後の言葉である。
ゴルフ ツアー
大長編ドラえもん
がん治療
京都 古刹
新築 ローン