奇子の「木箱」おすすめ度
★★★★★
旧家の大地主、天下作右衛門の権力とそれに翻弄されながらもエゴを晒す人々。
そして大人たちのエゴの為に、長い間蔵に閉じ込められ育った奇子。
奇子は外へ強い憧れを持つ反面、外の世界に順応できずに戸惑います。
外の世界で他人から拒絶されたり傷付けられたりすると、奇子は木箱の中に閉じこもってしまいます。木箱が長い間入っていた蔵に似てるから。
その中が彼女にとってのセーフティゾーンなのです。
不遇な人生を送ってきた奇子なりの自己防衛ですが、この「箱」は誰しもが持っているモノではないでしょうか?
誰もがこの「箱」を心の中に持っていて、無意識の中で箱の中に入ったり出たりしている。
でも奇子は心の中でこれができません。
だから、狭く暗い箱の中で平静を取り戻そうとするのです。
また人との接し方も常軌を逸脱してます。
しかし、その行動の裏には人から愛されたいと強く願う気持ちがあるのです。
誰も居ない暗く寒い蔵の中で育った奇子は、誰かに自分を見て欲しい、傍に居て欲しいと常に願っていたのでしょう。
その姿が切なくとても悲しいです。
テーマの深い作品ではあるけれど、とても読み応えがあります。
内容の深い作品ですおすすめ度
★★★★★
読んだ後、「疲れた・・・」と思いました。
それだけ引き込まれ、深く考えさせられる作品だったのです。
大人たちのエゴの中で、闇に葬られた23年を送らされた奇子。
それでも奇子は純粋に愛を求めます。
愛されてる、必要とされてると思うことが、奇子の生きる全てだったと思います。
その姿がとても切なく悲しいです。
一気に読んでしまいました。
とても読み応えがある作品です。
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