大人が買っていた漫画本おすすめ度
★★★★★
子供のころ、小学校の先生から「漫画本は読めば読むほどバカになる」と言われて
そういうものを買うのは恥ずかしいことだと感じてしまっていたころ
東京の大きな本屋さんのレジで一般書を買って並んでいると
前に並んでいた外国人の人がなにやら自分が選んだ日本語の本が本当に買うべきものだったのか
隣のサラリーマン風の紳士に尋ねたところ、その紳士は流暢な英語で答えてあげていました。
外国の人は笑顔でお礼を言って、最後に「あなたは何を買ったのですか?」と聞くと
その紳士は10冊ほどの単行本を見せて「コミックブックですよ」と答えて
相手は「それはナイスですね」と答えていました。
その紳士がまとめ買いしていたのが、手塚治虫の「ブッダ」でした。
ただ当時はその表紙だけを見て、何の漫画だかは分かりませんでした。
それから数年後、本屋でみかけたブッダの漫画を見て、是非買おうとして
あらためて表紙を見たら、あのとき紳士が買ったものであることを思い出しました。
そして家に帰ってブッダを読み終えて、自分が海外の人にも胸を張って見せられるマンガ本を
読んだことに気づきました。
私が最も印象に残っているのは、奇しくもこの全集のカバーになっているウサギが出てくる場面で
ブッダのためにウサギが火に身を投げるシーンでした。
このような漫画でブッダの教えや悩みを表現する手塚先生の業績の素晴らしさを
あらためて認識しています。
これからも、日本の、そして世界の子供たちに推薦したい良書だと思います。
ブッダの一生おすすめ度
★★★★★
手塚先生のブッダ観が展開されています。
手塚先生の著作の特徴として、世の不条理を問う作品が多いと思いますが、この作品も
そのひとつだと思います。
主要人物が成功の絶頂で突然死んだり、「えっ」と思わせるストーリーが展開されていきます。
よく考えると現実の世界も同じであり、人が予想もできないような展開が起こるのが現実
世界だと思いますが、そういった意味で手塚先生の作品は現実世界に近いものがあると
感じます。人がこの世に生まれ、何年かすると誰もが必ず死ぬわけで、このことからしても
この世は不条理だらけだと言えます。この作品も、この世の最大の不条理のひとつである
「なぜ人は生まれ、死ぬのか」がテーマになっているような気がします。
火の鳥もそうですが、この作品の根底に流れているのは「原因と結果」という、神様が
この世をお創りになられた時から脈々と流れている法則であると思います。
想像したことが現実となる、自らの行いがいずれ自分に返ってくるなど、因果律は古代インド
のヴェーダ哲学からもみることができます。
またこの世は全てはひとつであるということも、この作品のテーマのひとつとなっています。
動植鉱物など、この世に生きとし行ける物全てがつながっています。
つながっているから因果律が働くわけで、他人を傷つけるという行為はなんと愚かな行為
なのかと、ブッダは嘆いておられます。
ブッダが苦行を否定する箇所は多少でてきますが、それほど多くはありません。むしろ、
最後の方でアナンダとの旅路の際には肯定的な見解を示す部分も出てきます。
(これは、手塚ブッダのオリジナリティーだと思いますが。)
火の鳥でもそうですが、なぜ手塚先生は中道というブッダの教えを作品に取り入れないのか、
やはり疑問が残ります。もしかすると、これは手塚先生自身が仕事という苦行に追われ、
実践できていなかったためかもしれません。
手塚先生の作品は、主人公が最後に旅に出て終わるというのがとても多いです。
この作品も例外ではありません。(涅槃後、ブラフマンに連れられてあの世に旅立ちます。)
手塚先生の人生観は、「人生は旅である」ということなのかもしれません。
ブッダの周りの人々おすすめ度
★★★★★
個人的意見ですが、主人公よりも脇役に強烈な味があると印象に強く残ります。
ガンダムならばアムロとシャア、明日のジョーなら矢吹と力石。
この本でダイバダッタがとても印象深かったです。
あまりに人間くさい。
ブッダが神々しく描かれている中でダイバダッタが
人間の業、権力など人間のどろどろしたものを見せ付ける。
もちろん悪魔も登場しますが悪魔よりも印象深い。
強烈なインパクトです。
ダイバダッタにこのような感想をもったのは
他の作品、MWやアドルフに告ぐなどを読んでからです。
たくさんの動物たちおすすめ度
★★★★★
たくさんのエピソードが紡ぎ合されていてとても読み応えがあります。私たちは経典などを読む機会はありませんが、この漫画では手塚治虫という天才のフィルターを通して仏教の創始者、ブッダの一生を知ることができます。読んでみると紀元前に実際に北インドの一国の王族として生れたことがわかります。
この漫画の中で描かれている仏教の思想もひとことで言えるものではありませんが、キリスト教との大きな違いは人間と動物の境がほとんどないということが言えると思います。実際、本の中で多くの動物が登場します。個人的には色っぽいミゲーラが好きです。
生きるおすすめ度
★★★★☆
森羅万象の命について考えさせられました。
今の人間が忘れているもの、子供に伝えたいこと全てがここに入ってるきがします。
この中には悲しい死などがあったけどそれも全部何か意味があるんだなと思いました。
手塚さんの考えた事、伝えたいことの大きさにただ圧巻でした。
読む価値は充分にあります。
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